株式会社新開トランスポートシステムズ

開志専門職大学 様 臨地実務実習レポート

次世代の技術者育成。
開志専門職大学様のご要望にお応えし、
インターンシップ実習生を迎え入れ、
社会交流と働き甲斐を深めてもらいました。

PROLOGUE

プロローグ 

 

開志専門職大学様は2020年に開学された専門職大学で、4年間で延べ600時間の企業内実習のカリキュラムが設けられています。この度当社では「情報学部」2年生のインターンシップ実習生を2名受け入れ、150時間の実務実習を行いました。

 

実習生は主に情報技術の専門分野修学に努めていることから、当社の物流現場を支える技術のひとつとして、事業・技術戦略部門の基でセンシング技術に携わってもらいました。

実習課題は「電子かんばん」装置の製作

「電子かんばん」はマイコンとセンサーを連動した自動機で、プログラム(Python)制御により遠地に状態を発報する仕組みです。要件定義を行い設計思想を固め、一連のシステム構築と機械工作、CAD設計などの高度で幅広い技術力を要します。

PLANNING
企画と計画立案

物流現場に求められるデジタル化とは何なのか

実際に自動機が活用されている現場に訪問して運用を確認。利用者から伝わる情報から、課題や問題点を解決するためのプランを検討します。

限られた時間の中で、書類が投函されたら遠地に発報する「電子かんばん」の企画から施用まで修習しながら進めます。

無駄を減らす

無益な行動を減らすことで労力と時間の浪費を抑えられ、結果作業性が向上します。現場改善の基本である効率化を目指します。

READY GO
さあ、はじめよう

当社のからくり工房で機材・工具などは利用可能ですが、電子かんばんの部品は新たに調達する必要があるため、電気回路について簡単に講義を行い、材料をリストアップします。

リストアップした材料を集めるため電子パーツ店に足を運び、自分たちの手でセンサーやLED部品を集めます。半導体不足の影響も少なからずあるものの、無事に部材が集まりました。

最終形をイメージして、3D CADを使い外装設計。これまで操作したことがないCADに初めは不安そうだったが、実習生が優秀で使い始めると時間を忘れるくらい没頭して作業を進めます。

レーザーカッターと3Dプリンタそれぞれでモックアップを作成したが、パフォーマンスを重視してレーザーカッターで成形することを選択。1mm以下のズレでも噛み合わせや動線の不具合が出ることから試作と微調整を繰り返します。

過去に簡単なLチカ(LEDチカチカ)設計の経験しか無く、明確な目的を持って電子工作をしたのは初めてのこと。作業品質が成功の鍵となる重要な場面で、はんだごてを握る手に力が入ります。

実習生が修学中のPythonプログラミングも、プラットフォームがマイコンのため、若干勝手が異なります。サンプルとなるソースから記述方法やアルゴリズムを学び、コーディングを進めます。

実運用に向けての最終調整と動作テストを行います。特に通信設定などは設置現場でしか検証が取れないため、現用環境に影響が出ないように配慮しながら慎重に確認作業を進めます。

PRODUCTS
成果物紹介

音と光で通知する 

ものづくりの最大の利点は、目的と都合にあわせて性能や構造を創造できることです。

今回は赤外線センサーをレタートレイへフラットに埋め込むことでセンサー本体へのダメージを抑止。装置への配線を減らすためにセンサーで検知した信号の授受はWiFiで送受信。遠地に設置した受信機にはスピーカーとLEDが実装され、音と光で状態を通知します。

利用者の意見も取り入れ、普段は音をOFFにしておき、急ぎ回収が必要な書類が投函される予定があれば音をONにする、という運用が可能です。

COOPERATION
企業・社会との協調

労働人口の減少に伴い効率化や省人化・省力化が強く求められる今日では、特にデジタル人材の不足が深刻な問題となっています。

開志専門職大学様の情報学部からいただいた案件は、実習生が企業内の課題解決を探求する実務実習で、実践的なビジネス力を身につけてもらうのが特徴です。

当社でお預かりした実習生2名も日々真剣に実習活動に取り組み、限られた期間で見事に実用的な成果物を完成し、無事修了を迎えました。

慣れない地域と環境の中で企業の一員として実務実習を成し遂げた経験は、この先社会に踏み出した際のアドバンテージとして活かされ、次代を担う技術者として活躍してくれることを確信しております。

ご参考情報

開志専門職大学様のホームぺージでも実務実習の様子を紹介されています。

<開志のまなび>情報学部 2022年度 臨地実務実習レポート
株式会社 新開トランスポートシステムズ編 ー「電子かんばん装置」の設計と製作ー

<開志のまなび>情報学部 2022年度 臨地実務実習レポート
株式会社 新開トランスポートシステムズ編 ー実習終了の最終報告会を開催していただきましたー